ムラサキ科(Boraginaceae))
科名はルリジサ属名(Borago)の科名使用でギリシャ語由来の命名です。和名「・・・ジサ」「苣(チサ)」のことなの で、"bora"「食べ物」、"go"「原因」も同じような発想に由来しているのでしょうか?
アラビア語の「汗の父」(発汗作用を表す)を意味する語に由来、イタリア語、フランス語で「綿毛」を意味する単語「burra」に由来するとの意見を紹介 しているページもありますが、ある翻訳サイトでは全く異なる訳語になりました。それ以上の確認はしていません。
花が"サソリ"型の花序(最初は巻いている花序が花が開くにつれ真っ直ぐに伸びる)につく特徴のある種が多い。
(2016.8.16)



ワスレナグサ属(Myosotis)
属名はギリシャ語の"myos(二十日鼠)"+"otis(耳)"の意味。葉の形状を表現している。


勿忘草・忘れな草
広義には ワスレナグサ属 ( Myosotis)の総称だが、『シンワスレナグサ(Myosotis scorpioides) 』の和名としして使用されることが多い。但し園芸品についてはノハラワスレナグサ (Myosotis. alpestris)、エゾムラサキ (Myosotis. sylvatica)、あるいはそれらの種間交配種を指すことになり、定義が異なる。

エゾムラサキ (蝦夷紫 Myosotis. sylvatica)は古来からの日本植物名である。
(2014.12.15)

※ 古い図鑑(エングラー体系)では「ワ スレナグサ(勿忘草)」 =「Myosotis scorpioides」ですが、参考目録(APGV Haston2009)では「ワスレナグサ」を2種別しています。
1種は「Myosotis scorpioides」=「シンワスレナグサ(ワスレナグサ)」とし、もう1種は「Myosotis alpestris(亜高山性の)」=「ノハラワスレナグサ(ワスレナグサ)」としています。
当地では見た目で判るほどに姿形の異なる個体が入り乱れて咲ており、それぞれを「シンワスレナグサ(Myosotis scorpioides)」、「ハマワスレナグサ(Myosotis discolor)」、「ノハラムラサキ(Myosotis arrensis)」ではないかと判断しました。



シンワスレナグサ(Myosotis scorpioides) 真勿忘草
小種名は"サソリの尾のような"の意味です。英語名は『Forget me not』だが、他のワスレナグサ属の種と区別するために『True forget me not や Water forget me not』と呼ばれることもある。

漢字表記「真勿忘草」の「勿(ブ モチ)」は様々の色の吹き流しの旗を描いたもので、"色が乱れてよくわからない"の意意から転じて、広く「ない」を意味 する否定詞となり、さらに転じて「そのようなことがないように」の意味となった。
(2011.11.25)
ヨーロッパ原産、明治時代に園芸業者が輸入し園芸用に栽培されていたものが各地で野生化している。
フランス、ドイツでもやはり同じ「私を忘れないで」を意味する名前であるらしい。 恋人に花を摘んでやろうとして河に落ちて死んだ男の言葉「私を忘れないで!」が名前の由来とされている。

  "シン"は"本物"を意味する「真」だと思いますが、それとも別な意味でしょうか?「新」でしょうか?漢字表記のページが見つかりません。
(2014.12.15) (2015.4.3)
(2015.4.3)


ハマワスレナグサ(Myosotis discolor) 浜勿忘草
小種名は"色が分れる"の意味です。最初は黄色く咲き、その後青色に変化するが小種名の由縁のようです。特に海岸性の植物ではないようです。「浜」の由縁 はわかりません。

漢字表記「浜勿忘草」の「勿(ブ モチ)」は様々の色の吹き流しの旗を描いたもので、"色が乱れてよくわからない"の意から転じて、広く「ない」を意味す る否定詞となり、さらに転じて「そのようなことがないように」の意味となった。
(2011.11.25)
ヨーロッパから西アジアが原産の帰化種、当初は関西中心に報告されていたようですが、現在では東北地方:宮城県、秋田県で の観察記録も多くあります。

(2016.5.23)

ノハラムラサキ(Myosotis arvensis) 野原紫
小種名は"原野生の、畠地性の、可耕地の"の意味です。名前の通り耕作地付近の道路わきの藪や土手に多く見られました。

ヨーロッパ原産の帰化種、シンワスレナグサとハマワスレナグサの中間的な姿でしょうか?。


(2016.5.22)

(2024.4.17)



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